主日礼拝 ― 2016/11/06
説教;「パウロの弁明」
中村静郎牧師
聖書: 使徒言行録22章22〜23章11節
讃美歌21(クリックすると宝永教会のパイプオルガンで演奏された奏楽音声が流れます。事前練習にお役立てください。)
83(聖なるかな)
21(主をほめたたえよ)
510(主よ、終わりまで)
511(光と闇とが)
513(主は命を)
29(天のみ民も)
新約聖書(新共同訳)より
聖書: 使徒言行録22章22〜23章11節
パウロの話をここまで聞いた人々は、声を張り上げて言った。
「こんな男は、地上から除いてしまえ。生かしてはおけない。」
彼らがわめき立てて上着を投げつけ、砂埃を空中にまき散らすほどだったので、千人隊長はパウロを兵営に入れるように命じ、人々がどうしてこれほどパウロに対してわめき立てるのかを知るため、鞭で打ちたたいて調べるようにと言った。
パウロを鞭で打つため、その両手を広げて縛ると、パウロはそばに立っていた百人隊長に言った。
「ローマ帝国の市民権を持つ者を、裁判にかけずに鞭で打ってもよいのですか。」
これを聞いた百人隊長は、千人隊長のところへ行って報告した。
「どうなさいますか。あの男はローマ帝国の市民です。」
千人隊長はパウロのところへ来て言った。
「あなたはローマ帝国の市民なのか。わたしに言いなさい。」
パウロは、「そうです」と言った。
千人隊長が、「わたしは、多額の金を出してこの市民権を得たのだ」と言うと、パウロは、「わたしは生まれながらローマ帝国の市民です」と言った。
そこで、パウロを取り調べようとしていた者たちは、直ちに手を引き、千人隊長もパウロがローマ帝国の市民であること、そして、彼を縛ってしまったことを知って恐ろしくなった。
翌日、千人隊長は、なぜパウロがユダヤ人から訴えられているのか、確かなことを知りたいと思い、彼の鎖を外した。
そして、祭司長たちと最高法院全体の召集を命じ、パウロを連れ出して彼らの前に立たせた。
「兄弟たち、わたしは今日に至るまで、あくまでも良心に従って神の前で生きてきました。」
すると、大祭司アナニアは、パウロの近くに立っていた者たちに、彼の口を打つように命じた。
パウロは大祭司に向かって言った。
「白く塗った壁よ、神があなたをお打ちになる。
あなたは、立法に従ってわたしを裁くためにそこに座っていながら、律法に背いて、わたしを打て、と命令するのですか。」
近くに立っていた者たちが、「神の大祭司をののしる気か」と言った。
パウロは言った。
「兄弟たち、その人が大祭司だとは知りませんでした。確かに『あなたの民の指導者を悪く言うな』と書かれています。」
パウロは議員の一部がサドカイ派、一部がファリサイ派であることを知って、議場で声を高めて言った。
「兄弟たち、わたしは生まれながらのファリサイ派です。死者が復活するという望みを抱いていることで、わたしは裁判にかけられているのです。」
パウロがこう言ったので、ファリサイ派とサドカイ派との間に論争が生じ、最高法院は分裂した。
サドカイ派は復活も天使も霊もないと言い、ファリサイ派はこのいずれをも認めているからである。
そこで、騒ぎは大きくなった。
ファリサイ派の数人の律法学者が立ち上がって激しく論じ、「この人には何の悪い点も見いだせない。霊か天使かが彼に話しかけたのだろうか」と言った。
こうして、論争が激しくなったので、千人隊長は、パウロが彼らに引き裂かれてしまうのではないかと心配し、兵士たちに、下りていって人々の中からパウロを力ずくで助け出し、兵営に連れて行くように命じた。
その夜、主はパウロのそばに立って言われた。「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。」
主日礼拝 ― 2016/11/13
説教;「神の御計画」
中村静郎牧師
聖書: 使徒言行録23章12〜35節
讃美歌21(クリックすると宝永教会のパイプオルガンで演奏された奏楽音声が流れます。事前練習にお役立てください。)
83(聖なるかな)
22(深き悩みより)
535(正義の主イェスに)
411(うたがい迷いの)
29(天のみ民も)
新約聖書(新共同訳)より
聖書: 使徒言行録23章12〜35節
夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀をたくらみ、パウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いを立てた。
このたくらみに加わった者は、四十人以上もいた。
彼らは、祭司長たちや長老たちのところへ行って、こう言った。
「わたしたちは、パウロを殺すまでは何も食べないと、固く誓いました。
ですから今、パウロについてもっと詳しく調べるという口実を設けて、彼をあなたがたのところへ連れて来るように、最高法院と組んで千人隊長に願い出てください。
わたしたちは、彼がここへ来る前に殺してしまう手はずを整えています。」
しかし、この陰謀をパウロの姉妹の子が聞き込み、兵営の中に入って来て、パウロに知らせた。
それで、パウロは百人隊長の一人を呼んで言った。
「この若者を千人隊長のところへ連れて行ってください。
何か知らせることがあるそうです。」
そこで百人隊長は、若者を千人隊長のもとに連れて行き、こう言った。
「囚人パウロがわたしを呼んで、この若者をこちらに連れて来るようにと頼みました。
何か話したいことがあるそうです。」
千人隊長は、若者の手を取って人のいない所へ行き、「知らせたいこととは何か」と尋ねた。
若者は言った。
「ユダヤ人たちは、パウロのことをもっと詳しく調べるという口実で、明日パウロを最高法院に連れて来るようにと、あなたに願い出ることに決めています。
どうか、彼らの言いなりにならないでください。
彼らのうち四十人以上が、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い、陰謀をたくらんでいるのです。
そして、今その手はずを整えて、御承諾を待っているのです。」
そこで千人隊長は、「このことをわたしに知らせたとは、だれにも言うな」と命じて、若者を帰した。
千人隊長は百人隊長二人を呼び、「今夜九時カイサリアへ出発できるように、歩兵二百名、騎兵七十名、補助兵二百名を準備せよ」と言った。
また、馬を用意し、パウロを乗せて、総督フェリクスのもとへ無事に護送するように命じ、次のような内容の手紙を書いた。
「クラウディウス・リシアが総督フェリクス閣下に御挨拶申し上げます。
この者がユダヤ人に捕らえられ、殺されようとしていたのを、わたしは兵士たちを率いて救い出しました。
ローマ帝国の市民権を持つ者であることが分かったからです。
そして、告発されている理由を知ろうとして、最高法院に連行しました。
ところが、彼が告発されているのは、ユダヤ人の律法に関する問題であって、死刑や投獄に相当する理由はないことが分かりました。
しかし、この者に対する陰謀があるという報告を受けましたので、直ちに閣下のもとに護送いたします。
告発人たちには、この者に関する件を閣下に訴え出るようにと、命じておきました。」
さて、歩兵たちは、命令どおりにパウロを引き取って、夜のうちにアンティパトリスまで連れて行き、翌日、騎兵たちに護送を任せて兵営へ戻った。
騎兵たちはカイサリアに到着すると、手紙を総督に届け、パウロを引き渡した。
総督は手紙を読んでから、パウロがどの州の出身であるかを尋ね、キリキア州の出身だと分かると、「お前を告発する者たちが到着してから、尋問することにする」と言った。
そして、ヘロデの官邸にパウロを留置しておくように命じた。
主日礼拝 ― 2016/11/20
説教;「良心と信仰」
中村静郎牧師
聖書: 使徒言行録24章1〜27節
讃美歌21(クリックすると宝永教会のパイプオルガンで演奏された奏楽音声が流れます。事前練習にお役立てください。)
83(聖なるかな)
23(イェスよ、われを顧みたまえ)
455(神は私の強い味方)
458(信仰こそ旅路を)
29(天のみ民も)
新約聖書(新共同訳)より
聖書: 使徒言行録24章1〜27節
五日の後、大祭司アナニアは、長老数名と弁護士テルティロという者を連れて下って来て、総督にパウロを訴え出た。
パウロが呼び出されると、テルティロは告発を始めた。
「フェリクス閣下、閣下のお陰で、私どもは十分に平和を享受しております。
また、閣下の御配慮によって、いろいろな改革がこの国で進められています。
私どもは、あらゆる面で、至るところで、このことを認めて称賛申し上げ、また心から感謝しているしだいです。
さて、これ以上ご迷惑にならないよう手短に申し上げます。
御寛容をもってお聞きください。
実は、この男は疫病のような人間で、世界中のユダヤ人の間に騒動を引き起こしている者、『ナザレ人の分派』の主謀者であります。
この男は神殿さえも汚そうとしましたので逮捕いたしました。
閣下御自身でこの者をお調べくだされば、私どもの告発したことがすべてお分かりになるかと存じます。」
他のユダヤ人たちもこの告発を支持し、そのとおりであると申し立てた。
総督が、発言するように合図したので、パウロは答弁した。
「私は、閣下が多年この国民の裁判をつかさどる方であることを、存じ上げておりますので、私自身のことを喜んで弁明いたします。
確かめていただけば分かることですが、私が礼拝のためエルサレムに上ってから、まだ十二日しかたっていません。
神殿でも会堂でも町の中でも、この私がだれかと論争したり、群衆を扇動したりするのを、だれも見た者はおりません。
そして彼らは、私を告発している件に関し、閣下に対して何の証拠も挙げることができません。
しかしここで、はっきり申し上げます。
私は、彼らが『分派』と呼んでいるこの道に従って、先祖の神を礼拝し、また、立法に則したことと預言者の書に書いてあることを、ことごとく信じています。
更に、正しい者も正しくない者もやがて復活するという希望を、神に対して抱いています。
この希望は、この人たち自身も同じように抱いています。
こういうわけで私は、神に対しても人に対しても、責められることのない良心を絶えず保つように努めています。
さて、私は、同胞に救援金を渡すため、また、供え物を献げるために、何年ぶりかで戻って来ました。
私が清めの式にあずかってから、神殿で供え物を献げているところを、人に見られたのですが、別に群衆もいませんし、騒動もありませんでした。
ただ、アジア州から来た数人のユダヤ人はいました。
もし、私を訴えるべき理由があるというのであれば、この人たちこそ閣下のところに出頭して告発すべきだったのです。
さもなければ、ここにいる人たち自身が、最高法院に出頭していた私にどんな不正を見つけたか、今言うべきです。
彼らの中に立って、『死者の復活のことで、私は今日あなたがたの前で裁判にかけられているのだ』と叫んだだけなのです。」
フェリクスは、この道についてかなり詳しく知っていたので、「千人隊長リシアが下って来るのを待って、あなたたちの申し立てに対して判決を下すことにする」と言って裁判を延期した。
そして、パウロを監禁するように、百人隊長に命じた。
ただし、自由をある程度与え、友人たちが彼の世話をするのを妨げないようにさせた。
数日の後、フェリクスはユダヤ人である妻のドルシラと一緒に来て、パウロを呼び出し、キリスト・イエスへの信仰について話を聞いた。
しかし、パウロが正義や節制や来るべき裁きについて話すと、フェリクスは恐ろしくなり、「今回はこれで帰ってよろしい。また適当な機会に呼び出すことにする」と言った。
だが、パウロから金をもらおうとする下心もあったので、度々呼び出しては話し合っていた。
さて、二年たって、フェリクスの後任者としてポルキウス・フェストゥスが赴任したが、フェリクスは、ユダヤ人に気に入られようとして、パウロを監禁したままにしておいた。
主日礼拝(第一アドベント) ― 2016/11/27
午前10時30分~
説教;「生きているイエス」
中村静郎牧師
聖書: 使徒言行録25章1〜27節
讃美歌21
83(聖なるかな)
1(主イェスよ、われらに)
230(「起きよ」と呼ぶ声)
569(今やこの世に)
29(天のみ民も)
(↑各曲をクリックすると宝永教会のパイプオルガンで演奏された奏楽音声が流れます。事前練習にお役立てください。)
新約聖書(新共同訳)より
聖書: 使徒言行録25章1〜27節
フェストゥスは、総督として着任して三日たってから、カイサリアからエルサレムへ上った。
祭司長たちやユダヤ人のおもだった人々は、パウロを訴え出て、彼をエルサレムへ送り返すよう計らっていただきたいと、フェストゥスに頼んだ。
途中で殺そうと陰謀をたくらんでいたのである。
ところがフェストゥスは、パウロはカイサリアで監禁されており、自分も間もなくそこへ帰るつもりであると答え、「だから、その男に不都合なところがあるというのなら、あなたたちのうちの有力者が、わたしと一緒に下って行って、告発すればよいではないか」と言った。
フェストゥスは、八日か十日ほど彼らの間で過ごしてから、カイサリアへ下り、翌日、裁判の席に着いて、パウロを引き出すように命令した。
パウロが出廷すると、エルサレムから下って来たユダヤ人たちが彼を取り囲んで、重い罪状をあれこれ言い立てたが、それを立証することはできなかった。
パウロは、「私は、ユダヤ人の律法に対しても、神殿に対しても、皇帝に対しても何も罪を犯したことはありません」と弁明した。
しかし、フェストゥスはユダヤ人に気に入られようとして、パウロに言った。
「お前は、エルサレムに上って、そこでこれらのことについて、わたしの前で裁判を受けたいと思うか。」
パウロは言った。
「私は、皇帝の法廷に出頭しているのですから、ここで裁判を受けるのが当然です。
よくご存じのとおり、私はユダヤ人に対して何も悪いことをしていません。
もし、悪いことをし、何か死罪に当たることをしたのであれば、決して死を免れようとは思いません。
しかし、この人たちの訴えが事実無根なら、だれも私を彼らに引き渡すような取り計らいはできません。
私は皇帝に上訴します。」
そこで、フェストゥスは陪審の人々と協議してから、「皇帝に上訴したのだから、皇帝のもとに出頭するように」と答えた。
数日たって、アグリッパ王とベルニケが、フェストゥスに敬意を表するためにカイサリアに来た。
彼らが幾日もそこに滞在していたので、フェストゥスはパウロの件を王に持ち出して言った。
「ここに、フェリクスが囚人として残していった男がいます。
わたしがエルサレムに行ったときに、祭司長たちやユダヤ人の長老たちがこの男を訴え出て、有罪の判決を下すように要求したのです。
わたしは彼らに答えました。
『被告が告発されたことについて、原告の面前で弁明する機会も与えられず、引き渡されるのはローマ人の慣習ではない』と。
それで、彼らが連れ立って当地へ来ましたから、わたしはすぐにその翌日、裁判の席に着き、その男を出廷させるように命令しました。
告発者たちは立ち上がりましたが、彼について、わたしが予想していたような罪状は何一つ指摘できませんでした。
パウロと言い争っている問題は、彼ら自身の宗教に関することと、死んでしまったイエスとかいう者のことです。
このイエスが生きていると、パウロは主張しているのです。
わたしは、これらのことの調査の方法が分からなかったので、『エルサレムへ行き、そこでこれらの件に関して裁判を受けたくはないか』と言いました。
しかしパウロは、皇帝陛下の判決を受けるときまで、ここにとどめておいてほしいと願い出ましたので、皇帝のもとに護送するまで、彼をとどめておくように命令しました。」
そこで、アグリッパがフェストゥスに、「わたしも、その男の言うことを聞いてみたいと思います」と言うと、フェストゥスは、「明日、お聞きになれます」と言った。
翌日、アグリッパとベルニケが盛装して到着し、千人隊長たちや町のおもだった人々と共に謁見室に入ると、フェストゥスの命令でパウロが引き出された。
そこで、フェストゥスは言った。
「アグリッパ王、ならびに列席の諸君、この男を御覧なさい。
ユダヤ人がこぞってもう生かしておくべきではないと叫び、エルサレムでもこの地でもわたしに訴え出ているのは、この男のことです。
しかし、彼が死罪に相当するようなことは何もしていないということが、わたしには分かりました。
ところが、この者自身が皇帝陛下に上訴したので、護送することに決定しました。
しかし、この者について確実なことは、何も陛下に書き送ることができません。
そこで、諸君の前に、特にアグリッパ王、貴下の前に彼を引き出しました。
よく取り調べてから、何か書き送るようにしたいのです。
囚人を護送するのに、その罪状を示さないのは理に合わないと、わたしには思われるからです。」